caputami’s diary

スペイン田舎暮らし&ハーブ料理

エディブルーフラワーのレストラン「カレンデュラ」

もう9月ですが、7月に念願だったエディブルフラワーのレストランへ行って来ました。
ここは料理のカテゴリーを地中海料理としていますが、コスタ・ブラバの碧い海・空を思わせるだけでなく、山や森、カタロニアの自然の恵みを感じる料理でした。
シェフ・ヨランダ・ブストスの表現するひと皿一皿は、同姓の私たちを笑顔にします。彩り華やかなテーブルに、おしゃべりの花も咲いて思わず長居してしまいました。

レストランの名前のカレンデュラの花は、1ヶ月も咲き続けることから、ラテン語で月を意味する「カレンダー」に由来しているそうです。和名は「キンセンカ」。ヨーロッパ原産・虫除けになるので、毎日畑で手に触れる、自分にとって一番身近な花でもあります。

 

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花のカルパッチョ

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エディブルフラワー&メロンと海老のカクテル

f:id:caputami:20160906074049j:plainカリカリポークと3種のフルーツソース

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日本人としての〆は米! パエリアです。

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 ジェラードと綿菓子のデザート

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ハーブティーとプティ・フール

 

ヨランダの料理から、ハーブ畑をやろうと意欲が沸き起こりましたが、今年の夏はいつもの夏より更にひどい干ばつで、諦めました。

自然は人間の思うようにはいきません。

www.lacalendula.net

 

Ratafia 夏至に仕込むハーブ酒

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San Juan 生誕前夜祭の火祭り

6月23日の夜は、サン・フアン(聖ヨハネ)の誕生前夜祭。夏至が近いこともあり、夏至祭も兼ねて焚き火をして、短い夜を楽しみます。

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ウチの畑の脇に咲いているSan Juanの黄色い花

 また、夏至の前夜に採れた薬草サン・フアン(セント・ジョンズ・ワード/セイヨウオトギリソウ)は、特に薬効があると言われ、抗炎症、止血、鎮痛、消毒、防腐剤としてギリシャ時代から使用されていたそうです。


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まだ青い胡桃の実は、とてもいい香り

カタロニア地方では、この日の前後に、このサン・フアン他、30~70種類の薬草、果物の皮、木の実、スパイスなどを集め、アニスというリキュールに漬けた薬草酒ラタフィアを仕込む習慣があります。ラタフィアは、透明の瓶に仕込み、蓋をして、40日間太陽に晒します。その後、室内で保管し発酵が進み、クリスマス頃に飲み頃になります。飲み頃と言っても愉しむお酒ではなくて、体調が悪い時のための万能薬膳酒です。

今年は、近くの村のラタフィアのワークショップに参加して、たくさんの薬草を採取しました。摂りきれなかったものは、家の周りで探したり、友人に分けてもらったりして、なんとか40種類近く集めて、無事に仕込みを終えました。このラタフィアで一番重要なのは、薬草サン・フアンとまだ緑の若い胡桃を入れることです。仕込んでいる間、この緑の胡桃が放ついい香りと、新鮮な薬草の香りに包まれ癒されます。クリスマスに蓋を開けるのが今から楽しみです。

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 万能薬膳酒 甘味を足せば、お酒としても愉しめます。

 

Mantequilla Verde ハーブバター

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私のボスはオランダ人女性。料理も裁縫もプロ並みの腕前。しかも5人の子供を育て上げたグラン・ママでもあります。オランダは人間より牛の数が多いと言われる酪農国、乳製品は欠かせません。彼女も私ももうほとんど乳製品は摂らないけれど、庭で育った元気な12種類のハーブを使ったMantequilla Verde、春のみ解禁ということでレシピを伝授していただきました。これがまたおいしくて、やみつきなります。食べすぎ要注意です!

 

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バターに使ったハーブたち
majoranaマジョラム,、estraónエストラゴン、mentaミント,、donzellニガヨモギ、curryカレー、salviaセージ、romeroローズマリー、sajolioaセイボリー2種、perejilパセリ、cebollinoチャイブ、coriandreコリアンダアー ※にんにくのすりおろしをお好みで。

 

先日仕込んだサウコのカヴァ(発酵飲料でアルコールではありませんがカヴァといいます)、普通のはお砂糖タップリで透明ですが、これは砂糖不使用。替わりにデーツで仕込んだら、こんな色に…おいしくてさわやかな味が好評でした。冷たく冷やして頂きました。

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Amanida de Malva 食べるお花1

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春は夜中も鳥たちが鳴いている。朝、鳥の声で意識だけ目覚めたまま、目を開けずにこの贅沢な時間を愉しむ。目を開けて生きてることを実感する。
森の中の生活音は、日本で暮らしていた時の騒音とはまったく違う、字のごとく生きている活動音なのだ。
花は朝一番のきれいな空気の中で摘むのがいい。暗くなると閉じてしまう花Malvaを最初に摘みに行こう。今日のランチはMalvaの花サラダ&Malvaの葉っぱと棘とげのOrtigaでデトックス・スープ。毎年畑に勝手に生えてくるアスパラガスと野生のほうれん草を炒めて頂きました。
お花のサラダなんていうと、とっても乙女な感じだけれど、元気な野生の食材を頂くのは、ウチの場合はサバイバル修行の一環で、しかも経費ゼロでおかわり自由!

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Malva/Malva sylvestris/マロウ/ウスベニアオイ
南ヨーロッパ原産

抗炎症 収れん 粘膜保護 利尿 癒し 
にきび 傷 日焼け 膿 潰瘍 湿疹 皮膚炎 虫さされ

花言葉:柔和な心 魅力的 穏やか 勇気

 

Cava de Saúco 発酵ドリンク1

私の住んでいる家は、昔小学校で義父はここに通っていたそうです。それ以前は薬草を採取するHerboraioで、その時この家は「CAPUTAMI」という名前でした。

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住み始めたころ、家の周りに大好きな蓬や牛蒡がたくさん生えているのを見て、思わず日本で心配している母に電話で知らせました。日本で常用していたこのふたつの野草があれば、怖いものはありません。病気知らずで元気に過ごすことが出来ると思うと、うれしくてたまりませんでした。

ここには蓬や牛蒡以外の植物もたくさん生えていますが、それらが食用なのか毒なのか、数年前まで何も知りませんでした。7年目の今年は友達や仕事を通じて、少しわかるようになりました。最近は、食べられる花もあることを知り、サラダにしたり、葉はスープにしたり、見た目も綺麗だし、料理の幅がどんどん広がり、更に楽しくなりました。


まずこの辺りで春一番に用意するのが「Cava de Saúco」、エイダーフラワーのシャンパン風です。白いサウコの花は、甘い香りがして、小さな花がたくさんついた可愛らしい花です。キッチンにこの花があるだけで、フワーッといい香り。カヴァを用意している間も、この甘い香りに包まれて、なんとも幸せな気分にさせてくれました。

今年最初のハーブの仕事は、サウコのカヴァ作り。さて美味しく出来るかな…

saúco/sambucus/elder flower
風邪 インフルエンザ アレルギー性鼻炎 花粉症(鼻水・鼻づまり)
利尿・発汗作用・むくみ(毒素排出)
花言葉:思いやり 

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